第25回ICOM(国際博物館会議)京都大会2019
2019年9月1日~7日
「文化をつなぐミュージアムー伝統を未来へー
Museums as Cultural Hubs:The Future of Tradition」

 

レポート:アートエバンジェリスト 中山くる美

第25回ICOM京都大会2019が開催されている
まだまだ暑さ厳しい京都を訪れました。

https://icom-kyoto-2019.org/jp/index.html

2019年9月1日~7日、ICOM(国際博物館会議)大会が日本で初めて開催されました。
世界141の国と地域から、3,000人を超える博物館の専門家が京都に大集合。

基調講演やパネルディスカッションなどの全体会議の他にも、さまざまなプログラム、イベント、ツアーが企画されました。

メーン会場から離れたオフサイトミーティングや見学ツアー、博物館や美術館では誰でも観覧できる企画ももりだくさん!

大会終了後も続く企画もありますが、この期間だけのスペシャルもあるので、9月3日・4日の2日間、京都の中心を汗をカキカキ回遊してきました。

■9月3日火曜日 ICOM大会らしく世界遺産めぐり♪

二条城で感じる現代アート
旬な作家のコアな展示にココロ揺さぶられる

この日は午前中、神戸に居たので「三ノ宮」から「京都」までJR新快速で1時間弱。「京都」駅で乗り換え「二条城」駅で下車、「時を超える:美の基準 Throughout Time:The Sense of Beauty」の会場である二条城へ向かいました。

「世界遺産 二条城と現代日本美術の対話から」と謳った、二条城とアートが融合するという取り組み…早くもこの日が最終日、たった4日間のイベントです。青木美歌、小林且典、須田悦弘、チームラボ、名和晃平、西川勝人、ミヤケマイ、宮永愛子、向山喜章らの作品が二の丸御殿台所、御清所に展示されました。おなじみ名和晃平氏のキラキラ鹿ちゃんに迎えられ、映像、絵画、立体作品などが、約400年前徳川家康が築城した二条城に「今の美」が静謐なおももちで添えられました。

この展示の観覧は無料で写真もOKですが、二条城への入城料は必要。せっかくですから、二の丸御殿の襖絵や清流園も見学。京都の暑さも存分に実感した広い広い二条城でした。

  • 開催概要
    • 展覧会名:「時を超える:美の基準 Throughout Time:The Sense of Beauty」
    • 会場:世界遺産 元離宮二条城 二の丸御殿台所、御清所
    • 会期:2019年8月31日(土)~9月3日(火)
    • https://www.throughouttime-kyoto.com

 

原田マハ氏がプロデュース
清水寺が何だか楽しげなことになっている!

アートをテーマにした小説を数多く執筆されている原田マハ氏が「CONTACT つむぐ・むすぶ 日本と世界のアート」をプロデュース。その舞台は、こちらも世界遺産の清水寺…京都を訪れた方なら1度は足を運ぶ名刹であり観光スポット。先行販売で9月3日15:00~18:00の展覧会チケットをネット予約していました。通常非公開の「成就院」「経堂」では古今東西の作家の作品展示。

「西門」「馬駐」では、現在、原美術館で個展が催されている加藤 泉氏の作品が迎えてくれます。16:00過ぎに行ったら、「経堂」でコンサートをしているとかで入ることができませんでした。残念ですが「成就院」でゆっくりと作品を観て、小堀遠州 作といわれる庭園を鑑賞しながらまったり。

美術、文学、マンガ、映画、庭園と多岐にわたるジャンルの作品が集結。だからこそ、そのセレクトやその舞台との調和を図るのは難しかったと思います。さすが、もとキュレーターの人気作家さんのスペシャル企画ですね。

  • 開催概要
    • 展覧会名:「CONTACT つむぐ・むすぶ 日本と世界のアート」
    • 会場:清水寺 成就院、経堂、西門、馬駐
    • 会期:2019年9月1日(日)~9月8日(日)
    • https://contact2019.com

日本人作家による愛らしい動物たちが46点
リニューアル休館中の京都市美術館コレクション

初日のラストはジェイアール京都伊勢丹7階の美術館「えき」KYOTO。

ここは午後8時まで観覧できるのでとっても便利です。開催されているのはリニューアル休館中の京都市美術館の所蔵品から選りすぐりを紹介するシリーズの第3回。「動物パラダイス」をテーマに明治、大正、昭和に制作された日本人作家による日本画、洋画、工芸作品46点が集いました。

平安神宮の南に1933(昭和8年)に設立された京都市美術館は、歴史ある大規模公立美術館であり、京都にふさわしいコレクションを形成。2017年より大規模リノベーションのために閉館していますが、2020年3月21日「京都市京セラ美術館」(通称)としてリニューアルオープンを控えています。再整備事業の市民負担軽減のためネーミングライツ導入に賛同した京セラ株式会社が50億円を負担し50年間の契約を締結されたようです。

  • 開催概要
    • 展覧会名:京都市美術館所蔵品展 動物パラダイス
    • 会場:美術館「えき」KYOTO
    • 会期:2019年8月29日(木)~9月16日(月・祝)
    • 開館時間:午前10時~午後8時(入館はいずれも閉館30分前まで)
      ※ジェイアール京都伊勢丹の営業時間に準じ、変更になる場合がございます
    • http://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/exhibition_1910.html
    • 京都市京セラ美術館:https://kyotocity-kyocera.museum

■9月4日水曜日 注目のICOM記念企画展へ♪

貴重な文化財を惜しげもなく
寄託された国宝・重文の名品ゾクゾク!

京都の寺社などに伝わる文化財を大切に保管し、展示することを目的に明治20年(1897)開館した京都国立博物館。その前にある三十三間堂ととも人気の観光スポットでもあり、国内外の観覧者で賑わっています。8月からスタートした企画展「京博寄託の名宝 美を守り、美を伝える」はコレクション展のようなものだと思ってスルーしていたのですが(実際に観覧料もリーズナブル)、観てみてビックリ! “一昨年の「国宝」展にも勝るとも劣らない”と宣言されているように、70%以上は重要美術品、重要文化財、国宝が並ぶ充実ぶりでした。
現在、免震改修中であり、建物そのものが重要文化財でもある片山東熊 設計の明治古都館の一部が公開されており、京都国立博物館そのものの歴史を振り返ることもできました。

  • 開催概要
    • 展覧会名:ICOM京都大会開催記念 特別企画「京博寄託の名宝 美を守り、美を伝える」
    • 会場:京都国立博物館 平成知新館
    • 会期:2019年8月14日(水)~9月16日(月・祝)
    • 開館時間:午前9時30分~午後5時
      ※毎週金曜日、土曜日は午後9時まで開館(入館はいずれも閉館30分前まで)
    • https://www.kyohaku.go.jp/jp/project/icom_2019.html

フランスで注目を集めるdeValence(ドヴァランス)
グラフィックデザイン・スタジオの個展でお勉強!

迂闊にもdddギャラリーが大阪から京都に移転したことを認識していなかった…ということで初めて太秦の京都dddギャラリーへ。グラフィックデザイン・スタジオが異国で個展をするなんて、deValence(ドヴァランス)はかなり注目されているようです。

大胆なタイポグラフィー、計算されたデザインは洗練され「勉強になるな~」といった感じ。タイトルの「システムを遊び場に」とは、彼らのデザイン手法を表現した言葉らしい…。

企画展は10月まで続きますが、9月4日(水)には、アンスティチュ・フランセ関西-京都 稲畑ホールで「美術館におけるヴィジュアルコミュニケーション」というICOM京都大会2019記念トークイベントも開催されたようです。参加してないけど~^^;

京都dddギャラリー エントランス

京都dddギャラリー エントランス

内覧会にも行かせていただいた
「ドレス・コード?ーーー着る人たちのゲーム」

地下鉄「太秦天神川」駅から東西線で「東山」へ、平安神宮の大鳥居の前に建つ京都国立近代美術館へ。ここでは「ドレス・コード?ーーー着る人たちのゲーム」というタイトルで、ファッションをテーマにした展覧会が8月9日からスタート。

実は8月8日の内覧会に参加させていただいたのですが、気持ちも新たに再び観覧させていただきました。この展覧会もICOM京都大会に合わせて開催されています。株式会社ワコールが100%出資する京都服飾文化研究財団(KCI)の日本初公開の所蔵品を中心に300点以上を12のテーマごとに展示。展示会場のデザインはヴェネチア・ビエンナーレ日本館の出展建築家に選出された元木大輔氏が担当。

ファッションを通じて人や社会の関係性を問いかけ、さまざまな角度から“服”が考察されています。

  • 開催概要
    • 展覧会名:ドレス・コード?ーーー着る人たちのゲーム
    • 会場:京都国立近代美術館
    • 会期:2019年8月9日(金)~10月14日(月・祝)
    • 開館時間:午前9時30分~午後5時
      ※毎週金曜日、土曜日は午後9時まで開館(入館はいずれも閉館30分前まで)
      休館日:毎週月曜日
    • https://www.kci.or.jp/dc/
    • 巡回展:熊本市現代美術館 2019年12月8日(火)~2020年2月23日(日)

京都を東西に動いて「洛中洛外図屏風」を観覧
激しい雷雨に見舞われ「風神雷神図」に迎えられる

再び地下鉄東西線で「東山」から「烏丸御池」へ、地下鉄から地上に登ると激しい雷雨。京都文化博物館までは徒歩3分くらいなのに、地面を叩きつける豪雨にしばし雨宿り…降り止むまで待ってもいられないので、あまり効果の期待できない傘をさして突っ走りなんとか到着。

東京富士美術館所蔵の日本美術の名品40点を紹介する「百花繚乱 ニッポン×ビジュツ」と題した展覧会。

作品数は少なめなのでゆったり鑑賞、日本美術をさまざまな角度から俯瞰したバラエティ豊かなラインナップです。狩野派の「洛中洛外図屏風」、本日2度目の「風神雷神図」は鈴木其一の襖絵(国博では俵屋宗達の「風神雷神図屏風」を鑑賞)、そして伊藤若冲の可愛い「像図」、「鹿秋草蒔絵硯箱」の内部を覗けるVR技術によるシュミレーション体験も。写真撮影OKのじっくり愉しめる展覧会でした。

そして、「京の歴史」「京のまつり」「京の至宝と文化」の3ゾーンからなる2階の総合展示のコーナー。今回は「ICOM京都大会開催記念 京の歴史をつなぐ」をテーマに、平安の羅城門から室町、江戸、近代の文化遺産が紹介されています。

今回の羅城門の展示も興味深いものでしたが、ここの総合展示はいつも“ハッ”とさせられる展示があり、京都を深く識る京都文化博物館の意気が感じられます。

  • 開催概要
    • 展覧会名:百花繚乱 ニッポン×ビジュツ展
    • ICOM京都大会開催記念 京都新聞創刊140周年記念 東京富士美術館所蔵
      This Is Japan ◉ In Kyoto From The Tokyo Fuji Art Museum Collection
    • 会場:京都文化博物館
    • 会期:2019年8月25日(日)~9月29日(日)
    • 開館時間:午前10時~午後6時
      ※毎週金曜日は午後7時30分まで開館(入館はそれぞれ閉館30分前まで)
      休館日:毎週月曜日、祝日の場合は翌日
    • http://www.bunpaku.or.jp/exhi_special_post/hyakkaryouran2019/

最後に…

こうして2日連続ICOM京都大会2019 関連行脚が終了。

ICOM関連のほんの一部のイベントを駆け足での鑑賞となりましたが、展覧会や街の様子を通じてICOMイベントや京都のさまざまな表情を感じることができました。

いざ帰宅の途につこうとしたら、激しい雷雨により阪急京都線に落雷があり運転見合わせ(-_-;)JR「京都」まで地下鉄で移動して帰路につくことに…

最後まで慌ただしいICOM京都見学でした。