2018年度アートエバンジェリスト協会カンファレンス(2019年2月2日開催)カンファレンス基調講演:
アートブログ「青い日記帳」主宰Tak(たけ)氏

 

アートエバンジェリスト協会 2018年度のカンファレンスは、アートブログの草分けである「青い日記帳」主宰、また、『いちばんやさしい美術鑑賞』(筑摩書房)の著者でもあるTak(たけ)氏をお迎えして、「アートを伝え続けること」をテーマとしてお話をお伺いいたしました。

Tak(たけ)氏は、十数年前より、本業の傍ら、アートをテーマとし、美術館、ギャラリー等で自らが見て体験したことを記事として執筆・発信に取り組み始め、現在まで休むことなく毎日書き続けていらっしゃいます。現在では本業とは別に、アート鑑賞に関しての出版、メディア寄稿、講演など、ご活躍のフィールドは多岐にわたり、たくさんの方へアートの楽しさ・面白さを伝えるため、日々、精力的に取り組んでいらっしゃいます。

自分が楽しいと思うことを伝える

アートブログ「青い日記帳」主宰Tak(たけ)氏講演では、Tak氏が、ブログ記事を書き始めるきっかけ、そして、なぜ、今まで休みなく続けてこられたのか等、自らの経験に基づく貴重なお話を頂きました。
同氏曰く、今まで続けてこられたことを一言で言えば、「自分が楽しいと思うことを書く」ということに尽きるとのことです。

ブログを書き始めた最初のころより、ブログのデザインには特に気を払い、常に読み手を意識しながら、読みやすさ、分かり易さについて留意し執筆されているそうです。

美術鑑賞に関する記事というと、得てして、体系的な知識を前提とした内容や歴史背景、所説等を網羅して構成されるべき、と思われがちですが、「続ける」ために大切なことは、まず、自分自身が好きだという気持ちを大切にして、素直に感じたことを突き詰め、何より自分が楽しみながら、自由に書いていくことである、とお話しいただきました。

ちなみに、ご自身の今までの執筆活動を振り返り、「これが仕事だったら、絶対に今まで続けては、こられなかった!」とおっしゃっていたことが印象的でした。

ただ、時には、体調がすぐれないときや気分がのらないときも、当然あるとのこと。そんな時は、自分の見方、考え方を変える、あるいは、早朝などの時間帯で、頭がリフレッシュした段階で書く、などの工夫をされています。

書き出す前に
自分の感じたことを徹底的に突き詰める

講演では、当日カンファレンスにご参加頂いた方と一緒に取り組めるワークショップの時間もありました。
Tak氏から、例として、フランス、ナビ派の画家「ピエール・ボナール」の絵画作品《ボート遊び》を題材に、そこら発想され、感じたことを「言葉として」書き起こして頂き、それをグループでシェアするというものです。

配布頂いたワークシートは、絵画作品の中心を囲むように8つのマス目があるチャートであり、そこに参加者それぞれが、思いついたことを書き込んでいきます。

「ピエール・ボナール」の作品と言えば、一般的には「色彩」や「構図」が取り上げられることが多いですが、自分自身が独自に感じたこと、印象を実際に言葉として書き出し、整理していくことにより、今まで気づかなかった新しい見方や発見につながることをご説明頂きました。

Tak氏の場合は、ブログ記事、アート鑑賞等の出版書籍問わず、執筆前には、このように自分の考えの整理に、より多くの時間を費やし、自分の感じたことを出し切るまで、徹底的に考え抜くそうです。この作業をすることにより、後の執筆作業が格段とやり易くなるとのこと。また、実際に、執筆前段階において、電車移動などの隙間時間を見つけては、自身のアイデアノートに書き留めていくことが習慣になっているとのこと。

実際の場で体感することが大切また、あわせて、執筆内容検討の際には、必ず、実際に美術館やギャラリーに自分の足で出向き、作品と向き合い、作品自体のスケール、その場の空気感を含めて体感しておくことが、重要である点もご指摘頂きました。

Tak氏のご講演は、普段、鑑賞者の視点で、何気なくアートをみている状態から一歩踏み込んで、自分なりにアートを感じて、それを言葉として表現し、伝えることの楽しさ、素晴らしさを改めて認識することができました。
また、実際にアートブログを書く際の実践的なお話しもたくさん伺うことができました。

何より、ご紹介頂いた活動は、どれも決して難しいことではなく、誰もがすぐに取り組み始めることができます。

Tak氏のお話しは、アートエバンジェリストはじめ、今後、アートを伝えたいと思っている方にとって、大変励みになり、また、貴重で有意義な機会であったと感じます。

Tak氏は、2019年2月24日(日)にて、富山県美術館にてご講演も予定されています。ご都合の合う方は、ぜひ、足をお運びください。

  • 富山県美術館 Tak(たけ)氏 講演イベント

Tak(たけ)氏

アートブログ「青い日記帳」主宰Tak(たけ)氏アートブログ「青い日記帳」主宰。
展覧会レビューをはじめ、幅広いアート情報を毎日発信。goo「いまトピ」、JR東日本「びゅうたび」、などにコラムを連載。
『いちばんやさしい美術鑑賞』(筑摩書房)、『カフェのある美術館』(世界文化社)、『フェルメール会議』(双葉社)、『フェルメールへの招待』(朝日新聞出版)、『美術展の手帖』(小学館)など執筆・編集。
『文藝春秋』書評寄稿など、各種講演・執筆活動など、幅広く活躍中。

好きなアートで活動する
「アートエバンジェリスト活動報告」

カンファレンス後半では、現在「アートを伝える」活動に積極的に取り組んでいらっしゃるアートエバンジェリスト3名の方から、2018年度の活動発表がございました。

橘高 あやさんからは、アートライター活動のほか、企画・運営を担当されたイベントツアー開催、そして自ら、新たに始めた水墨画制作などのチャレンジについてご説明頂きました。

柿沼 幸恵さんは、アートエバンジェリスト認証取得以来、約2年半続けているSNSでの記事執筆活動を中心に、自らの思いと、それら活動を続けていくポイントや課題についてお話頂きました。

春山 博美さんは、アートエバンジェリスト認証取得後、アートの枠を超え、映画、地域文化など幅広いテーマをもとに、精力的にイベント活動やライター活動に取り組んでいらっしゃいます。これら活動内容について、背景・経緯を含めてプレゼンテーションを頂きました。春山さんは、来る2019年3月30日(土)に開催予定のイベントツアー「伝説の画商・木村東介と画壇の風雲児・中村正義の出会いが遺した「从展」を桜と共に追う」の企画・運営、当日のガイドも担当されています。

3名共に、2015年8月に初代アートエバンジェリストとして認証された方々です。皆様は、先にご講演頂いたTak氏同様、アートを専門としたお仕事をしているわけではございませんが、なにより自分が好きなアートをテーマとして、まずは自らができることからその第一歩を踏み出し、そして、現在まで継続した活動をしています。
どなたも、今までの経験をステップとして、次の自分のステージに向け、楽しみながら、取り組み始めていらっしゃいます。

アートエバンジェリスト協会/AE-Salon
~ 2019年度に向けて ~

最後に、アートエバンジェリスト協会認定教育機関 AE-Salonより、今春2019年度からは、更にアートを共に楽しむ「輪」を全国に広げることを目指し、新たな取り組みとして、「AE-Salonオンラインチャンネル」等の紹介、

アートエバンジェリスト協会 教育推進部 部長 三沢恵子氏また、アートエバンジェリスト協会 教育推進部 部長 三沢恵子氏から、アートエバンジェリスト認証プログラム、及び本年3月に開催されますアートエバンジェリスト本科講座の概要についてご説明を頂きました。

カンファレンス当日は、土曜日の午後にも関わらず、アートエバンジェリストの方はじめ、一般の方も、遠方から多数ご出席頂きました。この場をお借りして、深く御礼申し上げます。今後も、アートを楽しみ、伝えるための様々な企画を検討してまいります。2019年度も、引き続きよろしくお願い致します。

レポート:AE-Salon 臼井 ノブヒロ

アートエバンジェリスト認証プログラム
「AE本科講座3月生」募集

アートエバンジェリスト本科講座

アートエバンジェリスト協会では、現在全国各地で活躍中のアートエバンジェリストに続き、好きなアートで活動ができる人材の育成プログラムを提供しています。アートの知識、活動経験がない方でも、安心してお取り組みいただける研修プログラムで構成されています。

アートエバンジェリスト認証プログラムは、そのための最初の一歩となる資格制度になります。アートエバンジェリスト本科講座では、アートエバンジェリストとしての活動に必要となるアートが持つ魅力、アートから得られる感動を伝えるためにさまざまな知識・スキルを習得していきます。アートエバンジェリスト協会認定教育機関「AE-Salon」では、アートエバンジェリスト認証のための「AE本科講座」を本年3月9日(土)開催予定で、現在、申込受付中です。

また、あわせて、個別無料説明会も開催しております。また、ご都合がつかない場合も、メール等でお気軽にお問い合わせ頂きたくお願いいたします。あなたも、この機会にアート・感動を伝える最初の一歩を踏み出してみては如何でしょうか?
そこには、きっと新しい自分、そして、志を共にする仲間との出会いが待っています。

アートエバンジェリスト認証プログラム
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