先日、アートエバンジェリストになって初めてのトークショーイベントを開催しました。
アートエバンジェリスト羽田沙織です。

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【名古屋城バディウォーク直前!アート×ウォークが10倍楽しくなる方法】

このトークショーは、名古屋城バディウォーク(ダウン症の人たちと一緒に歩くチャリティウォークイベント)のプレイベントという形で行ったものです。
また、私が普段担当しているヒューマンアカデミーの『名古屋アートサプリウォーク』という講座を知ってもらうという目的もありました。
トークショーの内容は、名古屋城バディウォークの今年のTシャツデザインを担当されたアトリエ・エレマン・プレザン(ダウン症の人たちのアトリエ)に作品のこと、制作秘話などを伺うというものでした。

アナウンサーという職業柄、トークショーイベントの司会を担当することはよくありますが、今回はイベントを企画するところからすべて一人で行いました。
企画・運営・構成・司会と、イベント当日までの流れをここでは簡単にご紹介したいと思います。

最初の難関は予算の設定!

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まず、トークショーイベントの開催3か月ほど前に、ざっくりとしたイベント案を練りました。そして、名古屋城バディウォークを運営している名古屋すまいるマイルの代表水野善文さんに連絡を取り、今回のトークショー企画について相談。
イベント開催にご賛同くださったので、ゲスト、日時、開催場所についてひとつずつ決めていきました。
詳細を決めるにあたり、一番重要だったのが今回のイベント予算の設定です。
何人規模のイベントにするのか、参加費をいくらと設定するのか。
それによって、会場費やゲストへの謝礼も決めなければなりません。
また、もしも設定した人数が集められなかった場合どうするかというリスクも十分に考えた上で決定しなければなりません。
今回の場合、名古屋城バディウォークの参加者からのご参加がある程度見込めたので、
10人~最大30人程度のトークショーを、1日2回開催することに決めました。
2回開催にした理由としては、今回の会場と決めたギャラリーが時間貸しではなく、1日いくらと決まっていたためです。
ちなみに、会場に関しては、無料で借りられる場所(今回の場合ヒューマンアカデミーの教室や、関係者の紹介など)はもちろん、会議室のような貸しスペースに、県や市の施設など、大体15か所以上はチェックした上で決めました。
今回決め手となったのは、値段と会場の雰囲気、そしてアクセスでした。

イベントへの想いを誠意をもって伝える

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ゲスト・開催日時・会場が決まった後は、詳細の打ち合わせを行います。
どんなに忙しくても、イベント開催前に必ず、ゲストの方と会場の担当者にはそれぞれに、こちらから出向いて打ち合わせを行うことが大切だと思います。
今回の場合、ゲストは2人予定していたので、お二方の元へそれぞれ出向いて打ち合わせを行いました。
電話では伝えきれなかったイベントへの想いをお伝えし、当日のトークショーで伺いたい話を事前に確認します。
また、会場の担当者とは、必ず会場で事前に打ち合わせを行うことをお勧めします。
会場の広さ、当日使用する備品(椅子やテーブルなど)、音響設備など、事前打ち合わせの時にしっかりと確認することがとても大事です。
今回はプロンプターを使用したので事前に実際にDVDを持参して映してみました。
当日はバタバタして確認する時間がないということも考えられるので、必ず想定しうるすべてのことは事前に一度チェックしておくことをお勧めします。
さて、打ち合わせで伺ったお話、確認した情報を元に、いよいよ台本を作ります。

司会者としての心得

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ここからは、やっと私の専門分野です(笑)
当日の流れに沿って台本を作ります。
私が司会者としてイベントに臨む際に行っているいくつかのポイントをご紹介したいと思います。

① 細かすぎるほど詳細まで言葉にして台本に記入

どんなに慣れていても、人前で話すということは緊張するものです。
ここまで書く必要があるの?と思わずに、詳細まで全て台本には記入しておくようにしています。
例えば、最初の挨拶「こんにちは!」も(笑)
これが意外と重要なのです。当日人前に立つと、何という挨拶から始めたら良いかわからなくなることが本当にあるのです!
また、ゲストのお名前は、どんなに間違えないと思っていても、必ずフリガナをふります。
私の場合、ほんの少しでも不安な漢字はすべてに今でもフリガナをふっておきます。
(NHKキャスター時代は、ニュース原稿の9割がたの漢字にフリガナをふっていました)
こんな漢字が!?と思う漢字が突然読めなくなるのが、舞台マジックなのです。

② 質問内容は箇条書きにして、重要なものにはチェックを入れておく

トークショーの場合、ゲストへの質問がとても大事になってきます。
ゲストの方のお話のペースや、どんな話し方をするのかによって、時間配分も考える必要があります。
そのため、私は打ち合わせの時に必ず、当日と同じ質問をして答えてもらうようにしています。そうすることで、この質問に、大体どのくらいのボリュームでお答えくださるのかという目安がわかります。
これが実は司会者としては最も重要と言っても過言ではありません。
それをもとに、質問事項を箇条書きで台本に記入して、その中でも絶対に聞きたい項目にはチェックをしておきます。
当然、ゲストの方のお答えには台本があるわけではないので、話が盛り上がって予想以上に一つの話題に時間がかかってしまった!なんて事はよくあります。
(逆に、予定していたよりも早く話が終わってしまった!ということも稀にあるので、質問項目は余分に用意しておいた方が良いかもしれません)
箇条書きにした項目を上から全部質問していたら時間内におさまらない!と判断した場合は、事前にチェックしておいた大事な項目以外の質問は、ばっさりカットする勇気をもっておく必要があります。
用意しておいた質問を全て聞くことができた!なんて経験は、もしかしたらこれまでに私は一度もないかもしれません(笑)それよりもイベントの場合は時間調整が大事です。
ここまでを大体何分メドにするかという細かい時間も私は台本に記入しています。

③ 話す内容だけでなく動きの導線も記入

当日のゲストと司会者の立ち位置や、舞台上で動きがある時はその導線もしっかり書き込んでおくようにしています。
今回は、プロジェクターを使用するために、ゲストに途中移動してもらう必要があったので、その導線を記入しておきました。

テレビやラジオの番組の場合、台本ができれば8割完成!とよく言われます。
イベントも同じで、いかに前日までにしっかり準備をして、詳細な台本を作成するかが大事なのではないかと思います。

イベント当日は楽しい空間作りを心掛ける

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いよいよイベント当日です。
意外と忘れがちなゲストの方への飲み物の用意(人前で話すのは思いのほか喉がかわきます)に、参加費用のお釣りの準備をして、いよいよ開場。
もともと今回のイベントはトークショーのみの予定だったのですが、事前打ち合わせの時に、ゲストのアトリエ・エレマン・プレザン東京代表 佐久間さんのご厚意で、会場には作品を8点お借りして展示することができました。また、大変貴重な制作風景のVTR上映(15分程)も。
今回特別展示して頂いたのは、アトリエ・エレマン・プレザンの岡田伸次さんの作品。
東京のアトリエで、15年あまり制作活動を続けているベテランさんです。
ダウン症の人たちは、誰にも教わることなく絵を描き始めるそうです。
みんなで向かい合って制作活動をしていても、決して作風が誰かに影響されて変わるなんてことはなく、比較も競争も決してありません。
そして、皆さん躊躇することなく「はい、終わり」と、描き終わりも知っています。
出来上がった作品に共通しているのは“調和”していること。
色もバランスも見事に調和して、不思議と穏やかな空気が流れています。

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今回のトークショーイベントを企画したきっかけは、2年前に東京都美術館で見た展覧会『楽園としての芸術』展でした。
週2回ペースで美術館やギャラリーに足を運んでいる私ですが、たくさん見ている展覧会の中でも強く印象に残っています。
ダウン症の人たちの作品には、人を惹きつけてやまない特別なパワーがあります。
そのことを、今回のイベントでも再確認しました。
ゴッホもピカソもモネも大好きなミーハーな私ですが、アトリエ・エレマン・プレザンの作品も大好きです。
アートの価値って一体何なんでしょうか。
アートのこと、そして自分のことについて、今回改めて考えさせられました。
イベントにお越しくださった皆様、
そして、ゲストでお越しくださった佐久間さん、水野さん、本当にありがとうございました!

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